〜タンパク質を貴金属イオンの吸着素子として用いる



はじめに
貴金属類や希土類金属は、工業的に幅広く応用されており、現代社会にとって必要不可欠な材料である。しかしながら、日本は資源に乏しく、それらの金属のほとんどを海外からの輸入に頼っている。一方で、工場等から廃棄処理される廃液中にはこれらの希少金属が含まれている場合も多い。地球環境保全に対する関心が高まる中、このような廃液からの希少金属の回収は、資源の安定供給、有効利用といった面で非常に重要である。タンパク質に代表される生体分子は、生体内で様々な物質特異的反応・状況特異的反応に関与しており、非常に厳密な分子認識能を有する。そこで、我々は、ある種のタンパク質に着目し、タンパク質を吸着剤とする貴金属イオン回収システムの開発を行っている。


日経産業新聞 2004年8月19日


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